最近の読書事情
さっきまでチラホラしてた雪がやんで青空が見えてきました@TOKYO。
週末は雪とか。
武道館はまあ近いけど、寒いのにあの長くて暗い道を歩くのはツライ。
今日と明日は美容院とかエクステとかで忙しい予定。
雑誌まだ見てないんで、今日こそ。
ってことで恒例の読書メモ、たたみます。
- 作者: 北川歩実
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/01/20
- メディア: 文庫
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痩せたい、女優になりたい、モテたい、そんな若い女性の心理を巧みに取り入れた心理サスペンス。
精神を病んでまでダイエットする女性、その女性と関わったばかりにドロドロした欲望と葛藤の世界へと巻き込まれる小説家菅見。
整形して別人になりすましたり、過激なダイエットのリバウンドによって別人のように肥満したり、いったい誰が誰なのか混乱する小説です。
よく耳にする拒食症の恐ろしさや、美しさを競うコンテストの裏側など、とにかく内幕はドロドロなんだなーと。
ラストまでハラハラドキドキの展開が楽しめます。
あなたはこのからくりを見破れる?
- 作者: 浅倉卓弥
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2004/01/01
- メディア: 文庫
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ラスト近くからウルウルきてて、ほんとのラストは涙で文字が読めず、読後に放心しのは久しちゃいましたよ。
私ったらピュア。
主人公は事故で指を一本失くした30代の男性ピアニスト。
育ちが良く、繊細で優しくて頭がいい男子、大好きです、てへへ。
その事故によって関わることになった少女と、その後の二人の人生に起こった奇跡的な出来事を描いた四日間のお話。
インターバルにところどころ過去の思い出話が織り交ぜられ、主人公啓輔くんの淡々とした一人語りが続きます。
あくまでもメインはこの二人なんだけれど、そこに新たに登場する真理子という女性が中盤からストーリーをぐいぐい引っ張るのは圧巻。
この三人の関係は、果たして神が定めた運命なのか。
不思議でファンタスティック、そして悲しく美しいこの一冊は、私の新境地を開拓してくれた気がします。
登場人物がみんな善人すぎてちょっぴりだけ不満だけど。
- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/01/14
- メディア: 文庫
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長かった。
この戦いは長期戦で、心身ともに疲弊した。
文庫本3冊1500ページ以上なんて何年ぶりか。
舞台は1000年後の日本。
ほとんどの人間が呪術を使える世界で、そこに行きつくまでに現代文明は滅亡し世界人口は最盛期のわずか2%となっている。
なーんて「そんなばかなー」の設定で、しかも語り手が若い女性の一人称。
その早季(さき)の子供の頃の回想から、長い長いこの物語は始まる。
いやー、最初の章ははっきり言って退屈で、「いつになったら怖くなるの?ねえいつ?」ってイライラしました。
だけど、中巻からは怒涛のように読めます。
全体的に私にとってはファンタジックワールドの味付けが濃かった気がするけど。
バケネズミとかミノシロモドキとか多数の架空の生物たち、主人公たちがまだ20代前半の男女であること、つまり根本的に『呪術』というキーワードに最後まで抵抗があったのも事実。
でもでも、さすがにグロテスクな描写やスリル満点の冒険は心底楽しめます。
更に少年少女たちの純粋無垢な魂の触れ合い、ちょっぴりエッチなシーン(この時代は男女の区別なしに恋愛感情を持つことが許されるのです。ただし、異性間の性交は絶対禁止)。
老若男女を越えた絆の強さ、更には人間ではないものたちとの複雑な主従関係に、ハラハラドキドキの連続。
愛する者の死、そして再生が始まる。
これだけの長編だと読後にかなり腑抜けになりますが、「あー、今の時代はサイコキネシスの時代じゃなくて良かったー」と単純に思いますよ。
魔法なんて使えないほうが、人間はずっとずっと幸せで平和なのです。
- 作者: 中村うさぎ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2001/09/04
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あーやだ。
ヤバイヤバイ。
前にも書いた気がするけど、私ぜったいこの著者と近い。
買い物依存症じゃないけど、たぶん今の10倍くらい財産あったら依存症になってる自信あるわ。
シャネルのショルダーストラップ付きの折りたたみ傘(黒革ケース)、しっかりした防水加工してないから土砂降りの時に使えないってわかってても(たぶん)買っちゃうもん。
一年間の服飾費2000万円、これもやろうと思えばできそうな気さえする。
ブランドものばっか好きなわけじゃないから、うさぎ氏とはちょっと違うけど、次の一節にいたく同意したんです。
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「私がブランド品を愛用するのは。それがブランド品だからではなく、何十年も使えるしっかりした商品だから」とか気取って言う人がいるけど、それは違うね。私たちがブランド品を購入するのは、それがブランド品だからだよ。ブスでもバカでも育ちが悪くても、とりあえずブランド品持ってりゃ、エラくなった気分が味わえるからだよね。(「雨の日にさせない傘」より)
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ああ、やっぱり私は江國香織さんじゃなくて中村うさぎさん寄りなんだ…。
金銭感覚の麻痺。
あれは麻痺ってる以外の何ものでもない。
うわああああああああああ。
- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/04/14
- メディア: 文庫
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バイオレンス、ハードボイルド、しかも主人公は女性。
すげーカッコイイ。
退廃的で切なくて、そしてちょっとエロい。
母を亡くしたミロは、母の再婚相手だった義父と暮らしていた。
その生活は脆くて危うくて、別々に暮らすようになってからもお互いに処理しきれない感情がある。
そしてとうとう心臓発作で倒れた父を放置して死に至らしめてしまう。
そこから始まるミロの闘争と逃走。
心から愛した男との暮らしも幸せは続かない。
覚せい剤、レイプ、ホモセクシャル、ヤクザ、危ない単語がてんこもり。
最後の最後までハードボイルドに徹するミロを描き切った作者に拍手したい気分です。
読後にあとがきで知ったけど、実はこのミロさんってシリーズものの主人公なんですね。
そこでは普通の探偵さんだったようで、このダークの発表には色々と物議をかもしたとか。
呼んでる途中で、なんかそんな気もしたんですよ、なぜか。
ここまで汚れ役にしては、どっか違和感というかまともに生きてた時代があったような。
もっと普通のミロさんが見たいから、探偵シリーズも読んでみようかしら。
私の好きな「館シリーズ」とは違う、叙述ミステリー色が濃い三部作。
昔々ロンドンに住んでた頃、痛烈に感じてた違和感がそのまんま書いてあるなー、と。