最近の読書事情


今年も残り少なくなりました。
年末にかけて忙しいんで、余裕がある時に少しでも記事をUPしておこうと思います。
今日は、恒例の読書感想を。
今回は、いつもに増してかなりジャンルが偏ってます。
つまり、ミステリとホラーがほとんど。
他にも色々読んでるんだけど、やっぱり印象に残るのはこのジャンルなので。
あと、どうしても貴志祐介の『悪の教典』読みたいなあ。
文庫になるまで待てないかもー。
てな感じの読書ライフです。




家 (角川ホラー文庫)

家 (角川ホラー文庫)


こわーいこわーいこわくて眠れなくなりそー。
鈴木光司「リング」とか「らせん」みたいにジワジワくる系。

念願かなってマイホームを手に入れた主婦のお話。
お察しの通り、この家でポルターガイストが起こるんですよ、ええ。
こわいですよ、まったくもう。
一人で夜には読まないほうがいいですよ、ええ。

しかも、もっと怖いものが彼女を待ち受けています。
わぁああああ!
やっぱり霊より生きてる人間のがこわいよぉ、ってお話。





イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)


ショートカットのキュートな女の子マユちゃんに恋をした鈴木くん。
ラブラブな毎日、そして破局…。
なんだよー青臭い恋愛物語かよー、って思って読むと…。
ラストから二行目で「えっ!」ってなる。
「えっ!」→ポカーン→「なんで?」→「んーーーーーーーーーーー」→「ちょっともっかい読んでくる!」ってなること請け合いです。
悔しいほどにあっさりとトリックにひっかかっちゃうけど、マユちゃん可愛いから許しちゃう?





ユージニア (角川文庫)

ユージニア (角川文庫)


数十年前に起きた大量毒殺事件を、ある一人の女性が解き明かす。
当時の関係者に一人ずつ接触していく回想録的なミステリー。
果たして真犯人は誰?
文章そのものは難解でもなんでもないんだけど、章ごとに違ったアプローチを試みるんで混乱します。
読んだ後も「あれ?結局真実って…」とうっすら寒くなる感じ。





神のふたつの貌 (文春文庫)

神のふたつの貌 (文春文庫)


貫井徳郎は宗教に関わる話があいかわらず面白い。
これは牧師が主人公で、キリストの教えとは何かを追求するがゆえの殺人が展開される。
「神の声を聞きたい」と本心から望む牧師の息子、そして彼をとりまく人々。
殺人を犯す主人公の心の内の葛藤、そして壮絶だけれど静かなラストまで一気に読みました。
読後、単に恐怖を感じるというより宗教的な精神論によって生み出される狂気が恐ろしい。
ちゃんとオチもありますよ。





とるにたらないものもの (集英社文庫)

とるにたらないものもの (集英社文庫)


江國香織はスタイリッシュで魅力的な女性だと思ってた。
このエッセイを読んで、ますますそれは確信に変わった。
と同時に、「こんなふうな題材で、こんなふうな文章を書きたいんだよ、私」って痛烈に思った。
その感性に憧れてしまいます。
「かなり幸福だ、と思う時間に、出かける仕度をしている時間、がある。」なんて、しびれる。
ピンクという色に対する思い入れは、私に似てる。
ただ単に好き、とかじゃないんだ、これが。
「うんうん、そうそうそうなの!」って同調しちゃう魅力。
あくまでも私個人的に、だけど。





水に眠る (文春文庫)

水に眠る (文春文庫)


なんかぼんやりしてて、何だかつかみ取れないままに終わってしまった感。
とあるバーで飲んだ水割りの不思議な味にまつわる話が「水に眠る」なんだけど、これもハッキリとしたものは何もない。
現実味が薄いっていうか、幻をそのまま文章にしたような。
幻想的な世界にどっぷり浸りたい時にオススメ。





ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)

ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)


羊たちの沈黙』のあのハンニバル・レクターの生い立ち、というか青年期までを描いた文庫本上下2巻。
幼いころの戦争体験(と言っても軍隊に所属したわけではなく、兵士などによる暴力体験)によって捻じ曲げられる感性、それまでの穏やかで聡明な子供がそこまで変わって行く過程は、フィクションだとわかってても背筋が寒くなります。
あのレクター博士は実は紅顔の美少年で、天才的な頭脳の持ち主なんですよ。
それがあんなふうな殺人嗜好者へと狂っていくんだなあ、って。
人間の心の残酷さ醜さをこれまで見事に表現する著者すごい!
私、ほんと『狂気』に惹かれるんですよ。
これ読んでから『羊たち〜』と『ハンニバル』を読み返したらまた違った感じ方ができそうで楽しみ。
あ、もちろんグロ表現注意本です。





その他

ばらとおむつ (角川文庫)

ばらとおむつ (角川文庫)

5年目の魔女 (新潮文庫)

5年目の魔女 (新潮文庫)

天を見つめて 地の底で

天を見つめて 地の底で

最後の一冊は20年近く前のホラーコミックです。最近、新章が出たようですが、ちょいFJ向け注意かも(笑)