最近の読書事情


レディ・ジョーカー 上 (新潮文庫)

レディ・ジョーカー 上 (新潮文庫)


全三巻、半月以上かかってやっと読了。
苦しかったよお。
途中何度も挫折しそうになった。
どうしてって、私みたいなただのおばちゃんには難解すぎるから。
まず日本の株式事情、経済界事情がまったくわからない。
警察と新聞社の関係もまったく知らない。
政界、財界、暴力団、総会屋、朝鮮総聯、部落差別、更には競馬にまで詳しくないと話が見えてこない。


それでもなんとか食らいついて最後まで終えました。
まず最初に「遊軍」ってなに?から入ったからねえ。
遊軍記者って初めて聞いた単語でしたよ。


大手ビール会社の社長が誘拐されて現金を要求される、というありきたりの企業脅迫事件じゃないんです。
そこには日本の社会に蠢く闇社会、私が知る由もなかった世界がありました。
犯人は競馬場で知り合った、年齢も立場も性格もまったく違った五人の男たち。
でも犯人の動きは最小限にしか描かれず、被害者であるビール会社の社長と事件に関わった刑事が主役な感じです。
ラスト近くに淡々と続く登場人物たちの現況、そして静かで平和なはずなのにゾーッと寒気がするようなラストシーン。
負け惜しみでなく、読んで良かった、と思いました。




世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)

世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)


なんか、今回は偶然にも誘拐がキーワードの小説で、どっちも緊迫感で疲労
レディ・ジョーカーがいやってほど現実直視の内容だったのに対して、こちらはもうわけわかんくなっちゃう類のパラレルワールド
さすが歌野先生。
自分の息子が連続児童誘拐殺害犯じゃないかと疑った父親の一人称で書かれてるけど、現在なんだか未来なんだか過去なんだか妄想なんだか、頭悪い私は何度も道に迷いました。
最終的には救われたのか救いはないのか、それさえもおぼつきません。
読み手の感覚によってエンディングは違うんじゃないかな。
あんまり書くとネタバレになるんでこのくらいで。
二度読まないと私には完全に理解しきれなかった、とだけ言っておきます。




約束 (角川文庫)

約束 (角川文庫)


初めて読んだ石田さんの短編集。
全7作品、すべてラストで泣いた(笑)
ダメだわー最近涙もろすぎる、年寄りすぎるぜオレ。
親友を失ったり、リストラされたり、登校拒否になったり、どれも苦しみや悲しみの人生を歩んでる。
だけど、そこから光射す方向へ歩いて行けそうな、ちょっとだけ安心できるような、ほっこりしたラストのオンパレード。
私は、タイトルになった『約束』が一番泣けました。
通り魔で親友を亡くした少年の苦しみと、そこからの旅立ち。
鼻をすすりながら、こっそり読んでみることをオススメします。




崩れる 結婚にまつわる八つの風景 (集英社文庫)

崩れる 結婚にまつわる八つの風景 (集英社文庫)


これも短編集だけど、こっちは一転して恐怖と狂気の世界。
家庭不和の主婦や婚活中の独身女性やストーカー被害にあってしまう若い女性など、様々なシチュエーションでちょっと不思議だったりかなり怖かったりのお話。




聖☆おにいさん(5) (モーニング KC)

聖☆おにいさん(5) (モーニング KC)


ルシファーさまキターーーーーー!
と思ったらアークエンジェルズが「う○こ」「う○こ」言ってて、もう萌え死にそうです(笑)




その他:

キマイラの新しい城 (講談社文庫)

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夜想 (文春文庫)

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魔が解き放たれる夜に (新潮文庫)

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