他人に危害を与える恐怖

日常でも、自分が加害者なり被害者になりえる事故は潜んでますよね。
気をつけて運転してるつもりでも、無灯火の自転車をはねてしまうとか。
マンションのベランダからうっかり植木鉢を落としてしまって、通行人に当たってしまうとか。
死亡事故にいたらなくても、相手に対して罪悪感は持つだろうし損害賠償が起こったりもするだろうし。
防ぎようのない事故って怖いですよね。
今まで生きてきて、幸いにもそういったことに遭遇したことはないんですが。


なーんて深刻ぶった書き出しでごめんなさい、実際はテニスの練習中の話です。
私がスマッシュ(高く上がったボールを相手コートに叩きつけてポイントを取る打ち方)を打ったら、そのボールが相手の顔面に当たってしまいました。
試合ではなく練習だったんで、それほど思いっきり力を込めてなかったけれども、テニスボールは案外硬くて当たるとすっごく痛いんです。
それほどスピード出てなくても、だいたいアザになりますよ、特に太ももとか柔らかいとこ。
私、テニス人生わりと長いけど、今まで人に当てたことなかったんです。
誰かが誰かにぶつけたとこは何度も見てますけどね。
で、実際に自分が当ててしまったとき、まずラケット放り出して駆け寄って行きました。
相手のかたは身長170センチ、スタイル抜群でロングヘアをきりりと結んだ大柄の美人Hさん。
ちなみにテニス歴も年齢も私よりかなり若いです(笑)
もちろんテニスもお上手で、性格もとても良いかたで、左のおでこの横を抑えながら「大丈夫です」と繰り返します。
私は、目に当たらなくて本当に良かったと思いつつ、きっと腫れてアザになっちゃう、冷やしたほうがいいかな、なんて心の中はパニック。
コーチも「大丈夫?」と寄ってきましたが、彼女はすぐにケロリとして「あ、ほんとに大丈夫みたいです」と笑顔さえ見せてくれました。
それでも私は心配で心配で「ほんとに?見せて、赤くなってない?」とまだ小規模パニック中。
でも本当に彼女のおでこの横は赤くも何ともなってなくて、「当たった直後はがーんがーんって痛かったんですけど、そのあとはぜんぜん」ですって。
「あとで何かあったら言ってね」「ごめんね、ほんとごめんなさい」ということで、まあ一安心で練習再開しましたが、しばらく動揺してしまった私です。
その後もHさんは元気いっぱいで、おでこも赤くならずに済みましたから、案外当たりかたはソフトだったのかもしれません。
にしても、コントロールしたつもりが顔面行っちゃうってのはショック。
スマッシュ打つのしばらくはいやな感じだと思います。
実は私自身はよく顔面にボール来るんですよ。
でもその瞬間クルッと後ろ向いちゃったり、ラケットをガッ!と出してよけてます。
コーチも「エリさん、よくよけるよねえ」と言ってますが、単に運がいいだけ。
ってことで、人を傷つけることは大なり小なり自分の良心も傷つくってことを実感しました。
それが外傷であっても精神的ダメージであっても。
コーチが「Hさん、頑丈にできてる」ってボソッと言ってたのは内緒。