おくりびと

話題の映画だから観ておこうというわけでもなく、ただ暇だったので観ただけです。
だけど普通に感動してすんごく泣いちゃいました。
ネタバレになるんで詳しく書きませんが、以下少しだけ感想を。


バックに流れるチェロの楽曲とそれを演奏する主人公の姿が、この作品をより魅力的にしていると思います。
納棺師という特殊な職業にスポットを当てたことも成功だと思いますが、原作を読んでどうしても映画化したかったという本木雅弘さんの熱意に圧倒された感じです。
それほど魂こもった演技だと私は思いました。
ストーリーもよく練られていて、エピソードの配置も上手いし、特に前半にいくつかある珠玉の「笑いのツボ」が際立っています。
死を扱った映画なのに暗く沈んだだけの映像に仕立てられていないのは、綿密に計算しつくされた作りかたとキャスト選定が良かったのだと思います。
主役の本木さんと、ベテランの山崎努さんはもちろん、末広涼子さんが素直でかわいらしい妻の役を好演されています。
納棺という儀式を知ることによって「死」を様々な角度から思うことができたと同時に、「死」はこんなにも厳かで尊いものなんだと再認識することができました。
あとキーワードというか「石文(いしぶみ)」という設定も印象に残りました。
誰かに石文渡したり渡されてみたいです。