ブラックスワン


期待以上でした!
初日に行ったけど超満員、やっぱりアカデミー賞取った作品は人気あるなー、と。
ちょこっとネタバレあるんでたたみますねー。





ナタリー・ポートマンが実際に踊ってるのかどうか、あちこちで話題になってましたね。
私もそれを確認したいな、なんて思ってたんですが、途中からそんなことどうでもいいというか構っちゃいられなくなりました。
それほどグイグイと引きこまれる展開です。



小学生でも知っているバレエ作品『白鳥の湖』を中心に、プリマの座を争う女性ダンサーの狂気のさまを描いたこの作品、主役のナタリー・ポートマンの熱演っぷりにまず感動します。
これはアカデミー賞ものだわー、と。*1



詳しいストーリーはネタバレすぎるので避けますが、とにかく『執念』『怨念』の世界です。
プリマを目指すってこういうことなんだ、と軟弱者の私なんぞガクブルですよ。
他人を蹴落として、たとえ肉親でもあっても嫉妬が渦巻いて、殺人を犯してまで。
ひー、おそろしー。



一応、ストーリーはきちんとありますが、実際に日常で起こることばかりでなく、幻想や空想の世界も織り交ぜられているので「どうしてこうなったの?」という疑問はさしはさまないほうが良いようです。
ただ、バレエのシーンの迫力は圧巻だし、徐々に狂気の世界に向かって行く主人公の鬼気迫る姿はリアリティがあって、ゾクゾクします。
怖くて切なくて不気味で美しくて官能的で悲しい、そんな物語。
残念ながら「楽しい」という感情は最後まで出てこないところが、この映画の見どころかと。



主役のナタリーはもちろん、ライバル的な役のミラ・キュニスもバレエ団監督役のヴァンサン・カッセルも違和感なく役にピッタリだし、母親役のバーバラ・カーシーがリアルに怖かったです。
そして、一番印象に残ったのが、先輩プリマ役のウィノナ・ライダー
白鳥の湖の主役に選ばれなかったことを逆恨みするという、汚れ役なんだけれど存在感たっぷり。
最初、「どっかで見た顔」と思ってわからずに、エンドロールで名前を見て「あーーーーっ!」でした(笑)
もう40近いのに、美しくて官能的なくせに儚げなたたずまいは私の憧れでもあります。
彼女を見られただけでも嬉しかったです。




というわけで、怖がりさんにはオススメできない映画なのですが、芸術性も高いと思うし、時間の経つのを忘れるほどの濃ーい内容なので、勇気が出たらぜひ!

*1:あと、これ内緒だけど、ナタリーの小ぶりな乳にひじょーに好感持ちました!同志よー、ってな感じですよ。ええ、ええ、顔は天と地ほど違いますけどね!外人さんにはめずらしくつつましかったです。